つい最近、ビジネス色強めなサイトを見てた時のこと。
「私、何歳に見えます?」の賢いかわし方 とかいう記事を見たんです。

女性からのそういう質問に対して 一般論で言えば、質問をした人は「若く見られたい」。
だから見た目から考えた「相場」より下を返答するのが1つの答えです。と。

適当に若く言ったとおもわれないために若く見えた理由も言うことが大事だと。
若く言い過ぎたとしてもその主張は崩してはならぬ。
そして相手の関心に関心を持て、と。

まあ、そりゃそうですよね。無駄な災難は呼び込まないほうがいいんでしょうね。

無駄に生真面目感と探求心発揮して、
「う~~ん…ズバリ30代に見られたい40代の方ですね!!44歳と見ました!!」(ジャストミート)
みたいなことやったら…それはそれで面白いとは思います。勇者すぎます。

きみはかんちがいしているんだ。

道をえらぶということは、かならずしも歩きやすい安全な道をえらぶってことじゃないんだぞ。

‐ドラえもん‐

ごめんドラえもん…僕はそんなに強い人間ではないんだ…

 

でも、それと同じ質問をその日初対面の男性から言われたらなんて言うのがベストなんでしょうか。
ベストプラクティスなパターンはなんなのか。
それで未だに心に残っていることがあるんですよね。

 

時を遡ること10+α年…。

南蛮渡来のリーマン・ショックとかいうのが「やってる?」って来ちゃってたあたりの時期です。

当時、私は工場の現場の請負をやる会社に勤めていましたが、
仕事先を必死こいて探さないといけなくなりまして。やつのせいで。

なんやかんやあってどうにか入れた現場は、
現在担当している人が辞めたくて辞めたくてしょうがない、らしいと。
しかもその仕事、なぜか他の誰もやりたがらない、らしい。…ていう感じの仕事でした。

うわぁっ()て感じでしたが、なんせ空前絶後で超絶怒涛のピン芸人リーマンショックです。
背に腹は代えられません。

 

そして配属初日、その担当されている方との初顔合わせ。

彼は小柄な男性でした。
よれよれのくたびれた作業着に肩にはタオルをかけて。
そのTop of the headに目をやると、荒れ果てた荒野が広がっていました。
ここにもリーマンショックの余波は起こっていました。

リーマンめえええ。
いや、身体的特徴をあれこれ言うつもりはないんです。念のため。

ただ、その姿を見た自分的所見は「歴戦の戦士」でした。
大田区の町工場とかにいそうなベテランというか、そんな感じの。

多分40代前後くらいの方だろうなぁ。

若い時からこの仕事に携わってこられたのだろう、と容易に想像できるような仕事ぶり。

そしてまあ初日だし、
その歴戦のベテランの、一通り職場の案内がありまして。
休憩時間だしとりあえずタバコ休憩でもいこうか、みたいになったんです。

その方はそれはそれはとっても気さくな方でした。
コーヒーをおごってくれて、色々話かけてくれました。さすがベテラン。
初日で緊張している私に、気を使っていただいていました。

しかしながら、私は「粗相があってはならぬ…!」と思い、めっちゃ敬語でお話しさせて頂きました。

…で、休憩ももうすぐ終わろうか。って時に。

そのベテランの覇者はおもむろに、しかしとても重要なことを聞かんとばかりに、

「…ところで、私、何歳に見えますか?」

 

はーい、来ました。やって来ましたシンキングターイム!

 

歴戦のベテランでも年齢とか見た目とか気にするんですね!

まだまだモテたい盛りってかこのこの~!とか言わないし言えない。キャラじゃないし。

世の中超絶大不況、ここ干されたらマジいくとこねえぞ。
ここは気に入られないと…!って状態です。

そりゃあ考えます。めっっっちゃ考えます。粗相があってはならぬ…!

ボールが投げられてからバッターにいくまでやたら時間が長い野球漫画みたいに考えます。あるいはジョジョのバトル中とか。

上に書いたように一般的な女性なら若く言う。はい定説。

男性は?この歴戦の勇者はどれだ?何が正解だ!?
実年齢は多分40代(と勝手に推測)…。

 

(プラン1)頼りがいありそう&凄く仕事できそう→+5歳をいう。
(プラン2)思ったままの年齢をいう。
(プラン3)お肌つるつるで若く見えます!ってことで→ -5歳をいう。

 

(プラン1)はやや危険な選択だけど外したとしてもそう思った無難な理由があるし、まあそこそこかな。
(プラン3)はまあ悪い気はしないだろうなと。こんなこと言い出すくらいなので若く見られたい可能性も大だろうな。実際(自分予想の)年齢よりもお肌はつるつるでした。顔の肌が、です。念のため。

ただしプラン2、テメーはダメだ。外した時のダメージがでかい。

…ってことでこんな感じ。

 (プラン1)頼りがいありそう&凄く仕事できそう→+5歳をいう。(命中率65%)
 (プラン2)思ったままの年齢をいう。(命中率15%)
(プラン3)若く見えます!ってことで→ -5歳をいう。(命中率75%)

 

よくて75%…スパロボでも微妙な命中率。
自分エースパイロットじゃないので「必中」コマンドは持ってません。

いや、しかし!…見える…!私にも敵が見える…!

「…35歳くらい…ですか?」ピチューン

 

「……あー…」微妙な顔。

外したー!でも手を緩めない!! そこですかさず次の攻撃!

「え、もしかして45歳くらいですか?」ピチューン 当たれえええ!

 

「……デスヨネー…」悲しそうな、でもやっぱりか。って顔。

また外したー!しかも大きく外したっぽいー!

奴は質量を持った残像だと言うのか…!…奴は…どこ(何歳)だ…!

 

とりあえず自分(当時30前後)より上のはず…!って思いながら
「えーわからないっすねー^^;何歳なんです?」

「……26です。」背後からの不意打ち ずどーん!

年下ー!まさかの年下ー!
風立ちぬってレベルじゃないくらいのベテラン風吹かせすぎ!

その後話を聞いてみると、その並々ならぬ風貌で、よく年齢が上に見られるそうです。
自分だけじゃなかった…!

歴戦のオーラをまとっていたのは、おそらくですがその仕事、
なかなかハードでいつも家に帰るのが夜中になってしんどい。
→だから辞めたい。誰もやらない、みたいなことだったと思います。

まあ、経験が人を大きく成長させるんだなあって思いました。
その後私は仕事を引き継いでその人は辞め、私はその後3~4年その仕事に従事するわけですが、
やっぱり私もベテラン風立ちぬだったのか、
歴戦の勇者たる風貌だったのかは分かりません。